VWの例の排気ガス不正問題が発端で、乗用車用ディーゼルエンジンは特にその比率が大きかった欧州では斜陽の一途をたどっています。しかし欧州ではそれに代えようとしていたEVが本当はecoでは無いというのがバレてしまい(詳細は別ブログ https://torakiji.hatenadiary.com エピローグ1-6話を参照ください)欧州カーメーカーは日本製ストロングHEV進出に怯えている状態なので、ディーゼルエンジンの復活やそれとマイルドHEVとの組合せが今後あり得ます。一例はマツダCX60の直6ディーゼルでマイルドHEVとしては凄い燃費性能です。ディーゼル+HEVはコストがかかり過ぎて敬遠されてきましたがマイルドHEVならアリでしょう。また、欧州の高速道路はアウトバーン=速度無制限 に代表される様に平均時速が高く、欧州で私の知り合いのBMW 7シリーズのディーゼル車に乗った時の高速燃費は18km\hを越えていて、超100km/hの速度域では自分のトヨタTHS2.5Lハイブリッド(レクサスis)を遥かに凌ぐ燃費だったのです。これにマイルドハイブリッドを付加すればもっとecoになると実感しました。
そこで今後のディーゼルエンジン用タイミングシステムの理想像を考えてみました。は1つはvol.1で述べた様な10万km交換を前提としたタイミングベルト駆動です。但しHEVとの組合せを考えると交換の困難さやスペース確保で非現実的な場合も出てくるでしょう。そこで第2案はタイミングチェーンとギア駆動の組合せです。これはすでに日産ディーゼルZD型やいすゞの小型ディーゼルエンジン(写真参照)で実績があり、クレーム発生率も低くお勧めです。具体的にはクランク軸からIP軸までギアで駆動し、そこからカムシャフトの片側までチェーンで駆動するというものです。DOHCのカムカム間はギア駆動します。(ディーゼルDOHCはカムカム間が狭くなり両方をチェーンで駆動するとスプロケット径が小さくなってチェーン負荷が過大となりNG)
妥当性の確認等はvol.2で述べた様に絶対必要ですが、タイミングベルトが使えないという条件下ではこれがベストな選択だと思います。
また負荷の小さいエンジンではクランク軸から直接片側のカム軸を2軸駆動で行うというのもアリでしょう。
-続く-